農学部の取り組み

農学部の「研究力」を産業界へ。
研究成果を活かし、新しい未来をつくる。

実社会と結びついた数々の独創的な研究を展開している近畿大学農学部。
「近大マグロ」や「近大マンゴー(愛紅)」をはじめ、商品として世の中に流通している研究成果も少なくありません。
ここでは、企業と連携し、商品化をめざして現在取り組まれている研究をいくつか紹介します。

時代の一歩先を行く産学連携プロジェクト 光合成を強化した“ハイパーユーグレナ”を研究開発!未来のエネルギーが変わる。

遺伝子組換え技術によってユーグレナ(ミドリムシ)の特徴を強化。


長年、ユーグレナに着目してきた同研究の先駆者である植物分子生理学研究室の重岡成教授(左)と、田茂井政宏准教授(右)

ユーグレナは鞭毛運動をする動物的性質を持ちながら、植物として葉緑体を持ち光合成を行う生物。その生態は実に特異なもので、「植物なのに細胞壁を持たない」「高い貯蔵物質生産能」「pH3.0の高い酸性環境下、40%の高濃度C02でも培養が可能」「高栄養価、高アミノ酸、高ビタミン含有」などさまざまな優位性を持っています。
これらの特徴を生かし近年では健康食品や医薬品への活用が注目されていますが、近大ではユーグレナの研究開発・生産事業を展開する株式会社ユーグレナと連携し、ユーグレナの能力そのものを高め、高効率な個体を生み出しビジネスに応用する取り組みが進められています。農学部バイオサイエンス学科植物分子生理学研究室の重岡成教授、田茂井政宏准教躍らが中心となったこのプロジェクトでは、植物の光合成能力を高めるための遺伝子操作をユーグレナに応用し、ユーグレナの成長を高めることでより高い貯蔵性能を生み出す研究開発が行われています。特に光合成によって「パラミロン」という糖を蓄積するユーグレナを嫌気条件下に置くことで、ワックス(油)はジェッ卜燃料に転用できる素材として期待されており、本プロジェクトによりワックスを高生産するユーグレナ株の作出に成功すれば、環境に良いジェット燃料を市場ヘ送り出すことができます。

ユーグレナ野生株
光合成能強化ユーグレナ
学生も同プロジェクトに参加でき、バイオサイエンスの最先端に触れられる環境。

古着から再生したポリエステル繊維培地で、地元野菜の振興に貢献。

福島県は温暖化の影響で気候的に、また、大市場東京に近いことから地理的に農業の適地です。コメ(全国4位)、モモ(同2位)、ナシ(同3位)、キュウリ(同3位)、トマト(同7位)、カスミソウ(同3位)などの生産が多く、2008年の統計では2,505億円の農業産出額がありました。これら生産力の高い産地が、2011年3月11日に発生した東日本大震災にともなう原発事故で甚大な被害を受けました。放射性物質による直接的な被害もありますが、多くは風評被害です。安全基準を満たした農産物であっても、福島産ということだけで買い控えが起こっています。

近畿大学は14学部48学科を有する総合大学として、いち早く福島県川俣町の再生支援と復興支援に乗り出しました。この事業はオール近大プロジェクトと呼ばれ、農学部からも多くの教員が参加しています。復興支援の一つに産業振興があります。土壌汚染という負のイメージを払拭し、高齢者の多い川俣町にどのような産業を創り出すのか。多くの雇用を生み、若者や子供たちを町にとどまらせることはできるのか。産業振興として新たな園芸生産をめざしていますが、一筋縄ではいかない難しい問題です。
私たちは古着から再生したポリエステル繊維培地を用いて、トマトやハーブ、切り花アンスリウムの栽培を行っています。土壌と隔離してポリエステル培地を用いることで風評を防ぐことができます。加えて、ポリエステル培地は物理性、化学性に優れており、よく根が張ります。また、軽量で劣化せず、連作障害も起こりません。繊維培地のこうした特長を生かし、軽作業で高品質な農産物が得られる栽培法を川俣町の協力を得て進めています。産業化に向け、地元の関心も高まっています。近大オリジナルの技術を用いて「きつい、きたない、きけん」と言われた農業から、「かいてき、きれい、けんこう」を新しい3Kとした農業をめざしています。

豊田通商が養成したクロマグロを「近大マグロ」に認定 2020年には養殖マグロの供給量を現在の3倍に!

世界初のクロマグロ養殖技術を継承するため、2010年より豊田通商へ技術指導を継続してきた近畿大学は、2014年11月に同社が長崎県五島市に設立した「株式会社ツナドリーム五島」で養成されたクロマグロを「近大マグロ」に認定しました。これにより、同社は近大から受け入れた稚魚をヨコワサイズ(クロマグロの若い魚)まで中間育成して出荷する事業に加え、陸上での種苗生産事業も展開し、市場への供給量はさらに増加することとなります。天然資源の減少抑制に大きく貢献するとともに、日本の食文化を支えるべく同事業は今後も発展を続けていきます。

2008年度グローバルCOEプログラム採択

近畿大学水産研究所と農学研究科水産学専攻の合同プロジェクトチームである『クロマグロ等の養殖科学の国際教育研究拠点』は,2008年度文部科学省「グローバルCOEプログラム」に採択されました。
この『グローバルCOEプログラム』は,文部科学省が世界最高水準の実績を持つ教育・研究拠点を重点的に支援し,国際競争力のある大学づくりをバックアップすることを目的とした制度です。

2008年度までの取組み

現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)
~里山の修復活動を通じた環境理解教育の実践~

キャンパス内の里山で生態系の修復・保全に取り組む

農学部で取り組んでいる「里山の修復活動を通じた環境理解教育の実践」が、2006年度文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に選定されました。キャンパス内にある里山を素材に、多様な生き物がよりよく生息できる自然と生態系の修復・保全活動を実践します。この活動を通じて環境理解教育を推進するという、類例のないスタイルです。

21世紀COEプログラム クロマグロ等の魚類養殖産業支援型研究拠点

マグロの完全養殖を 量産化に進化させる研究

近畿大学水産研究所ならびに大学院農学研究科が申請した、「クロマグロ等の魚類養殖産業支援型研究拠点」が、2003年度の文部科学省「21世紀COEプログラム」に採択されました。現在、そのノウハウを生かして奄美大島でも養殖クロマグロ量産化に向けての挑戦を開始。日本人の愛するマグロの持続的な供給と、品質向上に向けて研究を続けています。

近畿大学 農学部
〒631-8505 奈良県奈良市中町3327-204
TEL(0742)43-1511
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