食品栄養学科Department of Food Science and Nutrition
医療チームの一員として力を発揮する、食と健康のプロフェッショナルに。
現在食生活考
健康講座6
農学部 食品栄養学科(管理栄養士養成課程)
講 師 上田 茂登子
健康食品の正しい使い方
「健康食品」は今のところ法律的な定義はありません。毎日食べているのが「食品」で特別に健康になるための食品が存在するのはふしぎな話です。しかし、昔から経験的に体によいと思われる食品は確かに存在し、元気で長生きしている人が多い長寿村でよく食べられている食品があります。こうして健康食品が生まれてきました。大切なことは、あくまで食品で、疾病の治療に用いるべきでなく、特に生活習慣病になるリスクを低減させることを目標として考えるべきものです。
現在、健康食品は非常な勢いで伸びています。この勢いは私たちの健康志向への大きな感心によりますが、誤った使い方をすると健康食品が不健康食品となり、かえって私たちの健康をおびやかし、疾病を引き起こすこととなります。
「健康食品」は現在2つのタイプに分けられます。どんな成分が含まれているかと調べても特に何という特異的な成分は入っていなくてミネラル、ビタミン、アミノ酸などがバランスよく含まれ、その成分を摂取することにより日ごろの健康維持ができるタイプと化学構造をも明らかにされているある特定の成分が含有されていて特定の疾病に対してその予防・治療に効果があるとされている食品です。前者に該当するものは滋養強壮といった食品で極端に多量摂取することがなければさほど問題はありません。しかし、後者のケースにおいては明らかに食品中に含まれているある特定の化学物質に焦点が当てられていて、多量にその食品が摂取された場合、種々の障害が発生します。
市場での問題点は、1.市場の現実・・・「食品=安全」という安易な考えの基に一歩間違えば非常に危険なことが横行し、実際に幾つかの事件が発生しています。2.効果は本当にあるのか・・・例えば広告などに「医者が見捨てたがんから快復」といった記事を見かけます。これがわらをもつかみたい病気の人たちの餌になり、まともな治療を受けて助かる人が病院における治療を放棄し健康食品に頼って手遅れとなる悲劇も生じています。3.安全性の検討はどこまでなされているのか・・・有効性があるということは、量を間違えば中毒量になるという危険性を持っています。
まず、「バランスの取れた食生活」が必要で、さらに何か健康食品をとるとするならば自分の弱いと思われる部分を補強できるようような保健機能食品をとるべきです。これ以外の健康に効果のあるといわれている食品に関して、もし、摂取するならば自己責任においてとるより仕方がなく、よほど価値のあるものでなくてはならないということになります。