食品栄養学科 栄養機能学研究室
村上 哲男 教授(医学博士)
※取得学位の表記については、本ページ統一表記となっております。
どんな研究をされていますか?
生活習慣病などの疾病の発症は遺伝素因が70%、環境要因が30%といわれており、環境要因を是正すれば予防できるのです。怠惰な生活習慣が、生活習慣病の発症・進行に関与すると考えられていますが、最近、母胎内および乳児期の悪い栄養状態が成人後の高血圧、糖尿病、肥満の発症をプログラムするという「成人病胎児期発症起源説」が新たな問題として提起されました。一旦、胎児期に形成された遺伝子発現制御機構はもはや矯正できないと言われています。母親となる若い女性のダイエット志向や妊娠期における極度な体重制限を行なう今日、妊娠期の栄養状態の改善対策が急務です。研究室では、ラットを用いて胎生期や授乳期の環境が成人病の発症に及ぼす影響を世代を超えて調べています。また、悪い条件で生まれても、どのように対処すればよいかについての研究も行なっています。
大学生活でどんなことを学んで欲しいですか?
そのためにどんな取り組みや工夫をされていますか?
(受験生)大学での勉強は将来のための必要条件であり、大学に入学したことに満足せず、自分の志した専門を勉強する。それが当たり前のことで、それ以外に自分の好きなことを勉強するのが本当の勉強である。仕事に役立つ本当の力を大学で学んでほしい。
(在学生)大学は、社会に出る一歩手前である。社会に出て、恥ずかしくないように一般的な事項(礼儀、責任感、自主的な行動)をもっと身に付けてほしい。社会で求められるのは答えのない勉強である。卒業研究などを通して問題発見能力や解決能力を養って欲しい。すべての行動に対して、あまりにも行き当たりばったりである。準備をして、万全で臨むことに心がけてほしい。
どんな研究室ですか?
・ 研究室は少人数での生活(団体生活)であるので研究室のルール守らせ、和やかな雰囲気で過ごさせるようにしている。そして、卒業してもずっといい人間関係が築け、そしていい思い出となって残るように心がけている。
・ 研究には、今日はここまでと言う決まりや、何時に始まり何時に終わると言う規則がない。進めば進むほどあらたな課題が出て、深みに誘われていくものである。「これでいい」ということがないことを教える。
先生紹介(略歴)(クリックすると詳細がご覧になれます)
学歴
(大学~) |
学校名 |
学部・学科・専攻名 |
| 近畿大学 |
農学部農芸化学科 |
| 大阪教育大学 |
大学院教育学研究科健康科学専攻 |
職歴
(主要な職歴) |
職務内容 |
| 近畿大学薬学部助手、近畿大学食品科学研究所助教授 |
| 近畿大学農学部食品栄養学科教授、大学院農学研究科応用生命科学専攻教授 |
| 米国ヴァンダービルト大学医学部留学(1989~1990) |
| 近畿大学農学部食品栄養学科・学科長(1999~2008) |
| 近畿大学人文科学研究所教授(2004~) |
| 近畿大学アンチエイジングセンター副所長(2007~) |
| 近畿大学農学部図書館長(2008~) |
| 担当講義科目 |
基礎栄養学、母子栄養学、栄養生理学 |
| 現在の専門分野 |
予防栄養学、栄養生理学 |
| 現在の研究課題 |
低出生体重児や生後1年までの発育遅延児は成長後に心疾患、高血圧などの生活習慣病に罹りやすくなることが疫学調査から明らかになった(胎児プログラミング説)。このプログラミングを引き起こす因子のひとつが母親の栄養不良である。胎児プログラミング説は生活習慣病の成因と予防の分野において新たな問題を提起し、疫学研究のみならず動物実験や分子レベル等、多方面で積極的に研究が行われている。そして、妊娠中の栄養不足は高血圧、糖尿病などの疾病を発症させ、また悪化させるだけでなく、世代を超えて孫、ひ孫にまでその影響が及ぶことも明らかになってきた。高血圧、脳卒中のモデル動物を用いた妊娠期の低栄養と疾病発症についての研究さらに、リスク低減の試みの研究等を行っている。 |
| 主な研究活動 |
活動内容 |
社会活動
近畿大学大阪コミュニテイーカレッジ:「食」と「健康」の栄養学講座
生活習慣病予防の栄養学―12回シリーズ(2005)
お母さんのためのやさしい栄養学―12回シリーズ(2006)
健康情報を理解するための栄養学―6回シリーズ(2007)
メタボリックシンドロームの克服に向けて―6回シリーズ(2008)
健康寿命延伸のためのライフスタイルの構築―6回シリーズ(2009)
奈良県消費者センター「食の安心・安全講座」
食と健康の情報を正しく理解するためにー6回シリーズ(2007)
食品の安全(フードセイフテイー)を考えるー6回シリーズ(2008)
「食の安全・安心」時代を生き抜くための企業の取り組みと消費者のとるべき行動―5回シリーズ(2009)
講演活動
食品の安全性―食品を脅かす諸問題(近畿大学交友会柏原支部市民生活講演会)
妊娠期の低栄養による生活習慣病発症の成因と予防―高血圧・糖尿病の遺伝モデルラットを用いて(NPO法人近畿バイオインダストリー振興会議、大阪)
セカンドライフの食生活と運動(セカンドライフ協会、東大阪)(成人病胎児期発症起源説)
健康寿命を延ばそう!― 食生活の基本をチェック(アンチエイジングセンター市民講座、東大阪)
栄養と健康―メタボリックシンドロームの現況と予防(近畿大学公開講座、恵庭)
メタボリックシンドロームって、なーに?―食と健康の関係について(近畿大学交友会静岡県支部総会)
栄養と健康―メタボリックシンドロームの現況と予防(近畿大学交友会石川県支部総会)
食育講話―栄養面から見た日本型食生活について(近畿農政局奈良農政事務所)
メタボリックシンドロームは生まれる前から始まっている東大阪市内5大学合同公開講座)
アンチエイジングと食生活―食生活の基本をチェックして美しく生きよう(明石市薬剤師会市民講座)
食を通した人間形成(奈良県高等学校教頭協議会研修会)
エピジェネチックスとその破綻がもたらす疾病発症(加熱水蒸気による「食」の研究会、奈良)
健康長寿の秘訣―美しく元気に生きる食生活(アンチエイジングセンター市民講座、奈良)
「食を通した人間形成」―健全な食生活で心身の健康を取り戻す(奈良育英学園教員研修会)
妊婦の低栄養とその問題(平成21年度全国研究教育栄養士中国・四国ブロック研修会、広島) |
所属学会
(主要な所属学会) |
日本栄養・食糧学会、日本農芸化学会、疾患モデル動物学会、脂質栄養学会
日本内分泌学会、日本小児栄養研究会 |
| クラブ・同好会 |
農学部ゴルフ部 |